さまざまなおひたしの作り方

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おひたし

 出汁に浸(ひた)して、その後しょう油などをかけていただくので、お浸し・ひたし物と呼ばれていたとも、茨城のすばらしい醤油をかけていたいたから、「お常陸(ひたち)」と呼ばれていたともされるような「おひたし」。そんな語源はどうでもよいですが……

 かつお昆布で出汁を取った味噌汁やお吸い物に、同じくかつお昆布じみた煮物、すべてが鰹と昆布と醤油に染められた日本料理のマンネリズムに打ちのめされたとき、「おひたし」に出汁を加えることが、味気なく思えはしませんか……

 そんな訳で、かつお節をのせるのは、ゴーヤーなどどうしてもその旨みが必要な場合、あるいは他にかつお節を使用した料理のない場合に、メリハリを加える時だけにしましょう。

作り方 (レシピ)

メインの食材

 素材の味に特徴のあるもの、あるいはヌメリなど、個性のあるものが、お浸しにしたときその個性を楽しみやすい。

「おひたし」の調味料

 小さじは、比率の代わりです。作る量に合せて、変更して下さい。麦茶は好みに応じて、ウーロン茶や緑茶などに変更可。(ただし紅茶、コーヒーは、お茶の個性が非常に強く表れますので、使用注意。うまくまとめれば、個性的で美味しいレシピにもなります)

添え物

 色取りを加える場合は、非常に薄くスライスしたニンジンを、塩水に漬けたものを、ちょっと載せるとよいでしょう。もちろん、かつお節に引かれるときには、かつお節を振りかけてもかまいません。その他、生姜や茗荷などは、季節に応じて、お好みで。ただし、何も添えない味を十分に知ってからにした方がよいかと思います。

調理

葉っぱもの


 たっぷりの沸騰したお湯に、塩を入れて、それぞれの野菜のゆで時間茹でて、冷水に取る。

 冷水にとるのは、急激に冷ますことによって色彩を鮮やかに保ち、さらに水にさらすことによって、茹でている時に続いて、シュウ酸などのアクを抜く効果もある。
 一方で、「葉っぱ物」に多く含まれる成分には硝酸(しょうさん)もあるが、こちらは季節外れの旬でない野菜を飼育したりすると、肥料の主要成分である硝酸が豊富に含まれてしまい、人様にもちょっとは有害というしろもの。
 これもまた、湯がくことによって減少するので、茹でる時は、フライパンなどよりも、大量のお湯で茹でた方がいいようだ。付け加えておけば、電子レンジの調理では、ビタミンの流出を防ぐと共に、硝酸などの流出も防いでしまうそう。


 水気をしっかり絞る。これを「おひたし」の調味料によく和えて、きれいに整えて器に盛り、調味料、を素材の下1/4から1/3くらいまで注いで完成。これが基本形だが、色取りのニンジンや、生姜、茗荷、紫蘇、かつお節などを、加える場合は、素材の上に乗せる。

ゴーヤーのおひたし


 ゴーヤーをなるべく薄くスライスする。薄さが一定以下でないと苦みが強く出てしまうので、職人気取りで包丁を使用するよりも、達人以外はピーラーを使用するとよい。


 さわやかな苦みが美味しいが、どうしても苦手な人は、軽く茹でてから水にさらす。


 ゴーヤーの苦みは、かつお節と合わさると、きわめてすぐれた「旨苦(うまにが)」へと変化する。したがって、
     [調味料+十分な量のかつお節]
とスライスゴーヤーをよく混ぜ合わせて、それをうつわに盛るのがポイント。

シュンギクのおひたし

 ゴーヤーと同様、シュンギクの独特な癖は、かつお節と合わせると、旨みに変化するように思われる。ゴーヤーと違って、普通のお浸しをつくって、上にかつお節を振りかける方法でよい。

リンク おひたし

ウィキペディア おひたし
………ウィキペディアによる「お浸し」の説明だが、ここに乗せられている語源の説は、本当なのかしらん?
手前板前 「おひたし」
………板前さんによる、和食の作り方の説明をしているサイト『手前板前』の中の、「おひたし」のコンテンツ。

2008/05/09
2014/09/22改訂

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