ウーロンハイなどの作り方

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ウーロンハイなどの作り方(レシピ)

 お茶割には、ウォッカより、甲類焼酎(こうるいしょうちゅう)(今日の名称では連続式蒸留焼酎)があう。ほのかな甘さが、お茶に微量の糖分を加えたような効果をもたらす。

 ただしウォッカで、[ウォッカ:お茶]が[1:3]とすると、お茶の味が濃くなり、お茶の苦みの成分が生きた、さわやかな割りものとなる。

割り方は、
[焼酎:茶]が[1:2]
がお茶の味を引き立たせつつ楽しむ割り方。お酒の味を強く出したい方は、焼酎の比率を高める。

 当然、割物の茶の味が、味の決定要因となる。さらに甲類焼酎もまた、それぞれ味わいが異なり、味覚に作用する。
(たとえば安いサトウキビ原産のものを使用すると、単純な甘さが増し、より複雑な調整を加えているブランド品の場合、ちょっとコクが出るとか、したがって割物だから安物でよい訳ではないが、逆に手軽にたしなむならあまりこだわらなくてもよい)

麦焼酎 (乙類焼酎)

 甲類焼酎で割ったものより、もっと深い味わいが楽しめるのは、乙類焼酎(おつるいしょうちゅう)(今日の名称では、単式蒸留焼酎)のうち、麦焼酎で割ったもので、個人的にはこちらがおすすめ。

 麦焼酎は、なにも麦茶を割る場合だけではなく、
  ウーロン茶、緑茶、紅茶、さらにはコーヒー
に至るまで、もとの味わいを引き立てるような、コクのある割り物になる。

 アルコール度数が25度を基本とするが、アルコール度数を下げたい人は20度の焼酎を使用。比率は変わらない。

 ただし、お茶の味を生かした比率なので、より焼酎を味わいたい人は、
  [お茶:焼酎]を[1:1]くらい
のあいだで調整。逆に軽くてさわやかなお茶(例えば「爽健美茶」など)を割る場合は、さらに焼酎の比率を抑えた方がよい。

泡盛 (乙類焼酎)

 乙類焼酎は原料の癖が出るため、麦焼酎を除いて、どのようなお茶にも合わせやすいというものではない。そのうち、独特の風味が、馴れてくると忘れがたい風味をもたらすのは、沖縄の焼酎である泡盛である。馴れると、ウーロン茶割などは、ほのかなチョコレートじみた上品な甘みさえ、次第に感じられるようになってくる。一方でレモンサワーなどは、泡盛の癖が出すぎて、味わいを損なうように思われる。

 内地(ないちゃー)で、泡盛の経験が少ないと、泡盛自体が癖のある味わいのように感じられて、嫌いになってしまう人も多いとか。時々ためし飲みに飲んでみると、ある時、これほど美味しい焼酎だったのか、と驚くこともあるかと思われるので、ときおりは思い返してみてください。泡盛によるウーロン茶割りも、また同様で、一度その味わいが楽しめると、忘れがたい割りものとなる。

その他の乙類焼酎

 これ以外の、乙類焼酎(おつるいしょうちゅう)(甲乙、つまり「きのえきのと」にあやかって「焼酎きのと類」と呼んでも面白いかも)は、原料の風味が生きているので、ブレンド次第ではユニークな味わいが出せる代わりに、気軽にどのようなお茶でも割れるものではない。特に「芋焼酎」「米焼酎」などは、それ自体で閉ざされた味空間をまっとうして、お茶に合せるのが難しいように思われる。

ウォッカ

 先にも述べたが、お茶の甘みよりも渋み、スカッとした印象を楽しみたい場合、ウォッカ割もおいしい。この場合は、
  [ウォッカ:茶]が[1:3]
になるように割るのが、アルコール的にも、味覚的にもうまくいく。

あらためて、お茶割りの作り方

 家庭でもっとも簡単に作れる方法を、いくつか記しておく。

基本は冷たい割りもの


  まず計量カップで焼酎の量を確認しながら、グラスに注ぎ、さらにお茶を計量しながらグラスに注ぎ、軽く混ぜ合わせる。その後で氷を適量加える。


 もう少しこだわりたいなら、冷やしたグラスに氷を入れ、焼酎だけを注ぎマドラーでステアしながら焼酎を冷やす。この際、氷の溶けるのを考慮して、若干焼酎の比率を高めておくとよい。さらに冷やした割物を注いで、軽くステアして完成。


 もっとも安易、かつ有効な手段は、ペットボトルの容量の1/3を、計量しながら空けて、もとのラインまで焼酎を流し込んで、蓋をしてシェイクするという方法。そのまま冷蔵庫に入れておくと、すでにウーロンハイや、緑茶ハイになっているので、グラスに注いで氷を入れるだけ。保存するのにもきわめて便利だが、「お酒です」と、容器に書き加えておいた方が良い。

 あるいは、この方法では、翌日の方が味がさらに良くなるか?
   ⇒割りものなどは、割ってからしばらく立った方が、味が馴染んで美味しくなるという情報あり。未確認。

お湯割り(冬はホットがいいよね)

 割方は、紅茶・緑茶・ウーロン茶・その他に関わらず、
  [焼酎:お茶]が[1:2]
で割るのが基本。割るときは、お湯割を作るときのように、温かいお茶の入ったグラスに、焼酎を入れるのがよいでしょう。

個別のお茶割りについての覚書

ウーロンハイ

 甲類焼酎と、麦焼酎と、泡盛と、それぞれ味が異なる。
  甲類は甘さが加わり、麦焼酎にはウーロン茶の味をマイルドにしながら高めるような効果が、泡盛にはもっと独特な何かが(こらこら)きっと存在する。ただし泡盛は慣れないと、ちょっと戸惑う人もあるかもしれない。

爽健美茶割

 爽健美茶に関しては、[焼酎:爽健美茶]を[1:3]にした方がおいしい。そしておそらくは、泡盛より甲類焼酎の方がよい。[1:2]だと爽健美茶の味が薄まりすぎる。

ジャスミンハイ

 ジャスミンの独特の風味を上品になだめつつ、さわやかさで包み込むようにした焼酎のジャスミン割(ジャスミンハイ)は、ジャスミン焼酎(サントリーの「茉莉花(まつりか)」など)を使用するとすばらしい味わいになる。割方は基本の比率で、[焼酎:ジャスミン茶]が[1:2]である。

麦茶ハイ(ムギチャハイ・麦茶割)

  麦茶ハイは、ウーロンハイの代用品ではない。
 むしろ、麦焼酎と麦茶を[1:2]で割ったときの、絶妙な甘みと麦茶のバランス感覚は、ウーロン茶よりも柔らかく、麦茶にこれほどの気品が込められていたものかと驚くほど。
 癖のない甲類焼酎でも、泡盛でも面白く飲まれるが、至福の瞬間は、麦焼酎の麦茶割であることを、我々は、決して忘れてならないのである。。

(泡盛は始め、癖が感じられるが、その癖がいつしか身近になった頃、ある種の上品な味わいを楽しめるはず……)

[これはサイト初代の落書]
 とにかく、麦茶の焼酎割りは、恐らく、皆様がないがしろにしているほど、格下の存在ではなく、むしろ世界に向かって、誇るべき、我が国の代表的な割物となるべき、ウーロンハイをすら越える、史上最強の割ものではないだろうか。何しろ、大麦の種子を煎じたのが麦茶である、葉っぱを使用しない風変わりのお茶である。それとアルコールのコラボである。皆様はもっと、ムギチャハイを愛するべきではなかろうか。もっともこれには、緑茶ハイ支持者からの反論も、待たねばならないのだが……

[本気でよっぱらっているようです、はい。]

おまけ 日本酒の麦茶割

 おいしいかおいしくないか、際どい麦茶の割物に、日本酒の麦茶割がある。割かたは、ジャストで[1:1]が良い。日本酒の穀物らしさも、麦茶の麦の爽快さも中和された、なんだろう的な味が気に入った人は、お気に入りに加えてもいいだろう。一度試してみる価値はある。何となく、幼い頃に試みた、麦茶のカルピス割りを思い出す。そんな一品。

緑茶ハイ(大和割・やまとわり)

 大和割の極意。
  お茶割はすべて麦焼酎をいたすべし。
 とは誰の言葉か知らないが、色彩と味覚とのコラボには、粉になった溶かすタイプのお茶を購入するのが便利である。粉茶を水で溶いたものは、緑色が映えるので、それを冷やしておいて、(あるいは麦焼酎と混ぜてから冷やして、)基本の比率で割ればよい。

紅茶ハイ

 手抜きの人は、無糖紅茶のペットボトルを焼酎で割ればよい。もちろん甘めの好きな人は加糖紅茶でもよい。基本の比率で割る。ちなみに、
   麦焼酎1:紅茶2
の割合を変えると、どのお茶割りも、味わいが大きく変わってしまうので注意。

 紅茶割りは、ウォッカを使用すると幾分寒くなる。
  麦焼酎だとやさしいほのかな甘さが感じられるので、おすすめ。

ランナーズハイ

 至福の状態に陥ったランナーから取られた汗だけを採取して、
  工業用アルコールと混ぜたという、究極の割ものたい。

インターハイ

 酒に酔ったら、出場停止ばい。

激不味列伝(げきまずれつでん)

注意

 あくまでも、わたしの主観的味覚であり、あなたには、あなたの味覚を信じるべき、権利と自由とが保障されていることは、言うまでもありません。

焼酎の昆布茶割

 焼酎の梅割すらもきわめて微妙であるが、焼酎のきわめて仄かな甘みには、これ見よがしの塩分が、ソルティードックはさておき、マイナスに作用するのではないかと思われる今日この頃。昆布茶のアルコール割のおどろくべき不味さには、ひとくちふたくちで、我慢できずに排水溝へ流し去るほどの、言いようのない、気怠さが、これあるべく、わたしには思われてならないのです。

焼酎のスポーツ飲料割り

 少量のアルコールならともかく、しっかりした割りものにすると、不可解な苦みのなかに嫌みな甘さが解け合って、なんとも言えない、繰り返したくない割りものとなるのであった。

紅茶のウォッカ割り+レモン果汁1/2

 酸っぱい。なんの味だか分らん。ほのかな苦みが後につく。

ミルクコーヒー+梅酒

 ほとんどを焼酎にして、わずかに梅酒を加えただけでも、ミルクが分離し、かついやらしい酸っぱさが充満するという、なんでも混ぜればいいというものではない、そんな教訓を思い起こさせるような割りもの……でした。(2014/01/30)

ミルクコーヒー+ワイン

 ミルクが分離すると同時に、ワインの変な酸っぱさが際だって、個人の趣味どころではなく、ほとんど飲めたものではありませんでした。(2016/3月)

白ワイン+唐辛子

 日本酒でたのしめたから、白ワインでも使用してみたところ、きわめて無意味な唐辛子調味料に落ちぶれてしまった。

ビール+赤紫蘇ジュース

 ビールの苦味が、赤紫蘇ジュースの酸味とぶつかり合い、台無しにされた挙げ句に、酸っぱさが舌につく。これは無糖の赤紫蘇ジュースの場合で、果糖であればあるいはカシスビールくらいの味わいは出るかもしれない。これで分かったことは、カシスビールが色彩的には面白いものの、ビールの味わいを生かしているとは思えないのは、その酸味がビールの苦味を損なうせいであるらしいという事くらいであった。また、無駄な酒生活を過ごしてしまったらしい。
 これまでの例から気づいたことは、酸味とあわせると失敗する事が多いという事実で、本来酸味のない状態で味わいの良いものに、酸味をぶつけるとおかしな事になりやすいようだ。(2016/07/01)

麦茶+炭酸水

 ノンアルコールだが、試してみたところ、せっかくのお茶系の味がないがしろにされながら、炭酸水を飲んだときのような味気なさが勝り、かといって麦茶の味が消えた訳でもないという、中途半端な飲み物に。ただし、これは、私が純粋な炭酸水を飲むのがあまり好きではないからであり、炭酸水を愛する人にとっては、かえって美味しいかも知れない。癖になりそうな何かが、そこには込められているように思われ、単純に不味いとは云えないものがあるようだ。(2018/06/01)

2010/9/3
2012/11/20、ちょっと訂正

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