いなおほせ鳥 ―緑茶とラム酒の割りもの

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稲負鳥(いなおおせどり) ―緑茶とラム酒の割りもの

わが門に
  いなおほせ鳥の 鳴くなへに
 けさ吹く風に 雁はきにけり
          よみ人知らず 古今和歌集208

 わたしの家の門に
    稲負鳥(いなおおせどり)の 鳴くのに合せて
  今朝吹く風に乗せて
     雁はやってきたのです

 秋の部に納められたこの「稲負鳥(いなおおせどり)」の正体がなんなのか、あるいはセキレイのことなのか、稲にまつわる鳥の総称なのか、分からないままにいつしか、まぼろしの鳥とされ、中世には『古今伝授(こきんでんじゅ)』の免許皆伝の、秘術のようにさえ扱われてきた「いなおほせ鳥」。それを掲げるカクテルもまた、オリジナルのレシピがなんであるか、今となってはもはや誰にも分からない……

 従って、古文書を紐解き、数多くの文献に埋没し、ついに辿り着いたわたくしのこのレシピも、あるいはくつがえされる日が、来るのかも知れませんが……

 なぜか秋の鳥である「稲負鳥」が緑茶を掲げ、夏めいた麦茶のカクテルが、「よぶこ鳥」と呼ばれているあたりに、複雑な名称のいきさつがあるようにも思われますね……

「いなおほせ鳥」のレシピ


 ラム酒(ホワイト)を50ml、グラスにそそぐ。


 冷えた緑茶を150mlグラスにそそぐ。
  粉の緑茶を使用すると、色彩がよく、手っ取り早い。


軽くステアして、氷を加えて完成。

リンク

ウィキペディア「緑茶」
………臨済宗を起こした栄西(1141-1215)の『喫茶養生記』を待つまでもなく、奈良時代にはすでに渡来していたという緑茶。あるいは平安貴族たちも、今日のものとは異なるながら、なんらかの緑茶をたしなんだのかも知れませんね。

2014/09/16(火)

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